柴犬の犬舎(屋内編)
大好きな愛犬とは常に一緒にいたいもので、最近では9割以上のご家庭で室内飼いを選択しています。
犬にとっても室内で飼うことは、メリットが多く、寿命も長い統計があります。
しかし、室内で飼う場合には家庭のルールをわからせなければならず、しっかりとしたしつけや環境作りが必要です。
犬を室内でフリーにさせる場合にとても大事になってくるのが、主従関係です。
犬の特徴として、家族の中で順位を付けます。仮に、犬より下だと思われてしまうと、いう事を聞かないばかりか、嚙まれてしまう事例もよくあります。
愛犬を迎え入れた初めはハウストレーニングからしっかりしつけ、犬に主従関係をわかってもらうことがとても重要です。
問題行動がなくなってからフリーの時間を増やしてあげましょう。
犬の性格にもよりますが、自分のテリトリーがないとストレスを貯めてしまう場合もあります。
また、ケージやクレートに常日頃から慣れておくと、災害時や愛犬を預ける場合にも犬にとってストレスを感じることが少なくなるので、フリーで飼う場合でもハウスなどの環境は作っておいてあげましょう。
室内で飼う上での環境作りや心得
1.誤飲を防ぐ
愛犬が届く範囲に誤飲しそうな小物を置かないようにしましょう。犬が立ち上がった場合も想定して、環境作りをしてください。
2.人間の食事を与えない
うっかり欲しそうな愛犬を見て、お菓子などを与えてしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、犬にとって人間の食べ物は毒と同じで、糖分や塩分がとても高いので与えないでください。
また、チョコレートや玉ねぎなどは犬にとっては生死に関わるほどの危険なもののため、注意が必要です。
3.危険なものには対策が必要
電気コードやコンセントなど犬が興味本位でかじってしまうと、大けがを負ってしまいます。そういったものをかじらないように柵やカバーなどを設置するなど対策が必要です。
4.夏には冷房を
犬はとても暑さに弱い動物です。真夏に家を空ける際には冷房を効かせて、熱中症にならないようにしてあげましょう。
5.滑らない床に
室内の床材が滑りやすいと、愛犬の関節や腰を痛めてしまい、悪化してしまうと手術が必要になってしまいます。
そうならないように、フローリングの場合は滑り止めのワックスをかけるか、コルクマットなどを敷いてあげましょう。また、階段にもそういった工夫が必要です。
愛犬と共に室内で過ごす場合は、しっかりと人間のルールをしつけつつ、危険から愛犬を守ってあげましょう。
トイレトレーニング
初めに必ず教える必要があるのが「トイレトレーニング」です
このしつけが上手くいっていないと、飼い主と子犬双方に大きなストレスを与えてしまいますので、根気強く行う必要があります。
また、室外だけでトイレを覚えてしまうと、悪天候時など散歩に連れ出せない場合トイレができなくなってしまいます。そのため、室内でも室外でもトイレをできるよう訓練で覚えさせるのがおすすめです。
心構え
犬と人間とでは習性や特性が全く違うことをまずは理解してください。そして、理解することでしつけやトレーニングをスムーズに行えます。
- トイレの場所は勝手には覚えない
- 犬は猫とは違い、教えないと覚えることはありません。また、トイレシートがトイレしていい場所とも理解ができません。
- 綺麗好きで寝床を汚さない
- 犬は本来綺麗好きな動物です。そのため、普段生活する場所ではトイレをしません。そこで、トイレと寝床を離れた場所に置く必要があるのです。
- 覚えるまでは根気よく諦めずに教え込む
- 愛犬がトイレを覚えるまではなぜここでしてはいけないのか理解ができません。そもそも、犬にとっては寝床以外はトイレをしていい場所と考えてしまっています。一度同じ場所でトイレをしてしまうようになると、そこが愛犬にとってのトイレ場所となってしまう恐れがあります。そこで、子犬の間はケージやサークルを使い行動制限をしてあげ、トイレのしつけをする必要があります。
- 落ち着ける場所をトイレにしたがる
- 犬は人と同様に、トイレの時は無防備の為安全な落ち着けるところをトイレに選びます。できるだけ静かな落ち着いた環境をトイレにしてあげましょう。
トイレトレーニングの手順
ここではケージとサークルを組み合わせたトイレトレーニングをご説明します。
寝床用のケージ(左上写真)とトイレ専用のサークル設置例(右上写真)
柴犬の習性として
昔は柴犬は野山を駆け回り、穴倉を寝床にしてました。寝床周辺に排泄すると外敵からその排泄物の匂いで存在を嗅ぎつけられてしまうので、寝床では排泄しませんでした。
この習性は残っており、トイレ部分と寝床が繋がっているタイプのケージではトイレのしつけが上手く行かないのは上記の理由からです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
寝床用のケージとトイレは完全に分離して出来るだけ離れた場所に設置しましょう。
柴犬は寝床のスペースからより離れた場所で、また広いスペースで排泄する事を望んでますので下記のようなトイレのみを設置した場合は、囲われてないので、リビング内何処でも排泄していいよ、と教えてあげているようなものですので、トイレが失敗するのも無理ない事です。
トイレトレーニングの手順は下記のとおりです。
1.様子を見る
愛犬を観察していくうちにトイレのタイミングがだんだんと分かっていきます。よく言われるのは
- 寝起きやご飯のあと
- 床を嗅ぎ始める
- くるくる回り始める
- 走り回っている最中
こうした愛犬のトイレの合図を見逃さずに、理解しておくのがトイレトレーニング卒業の第一歩です。
2.トイレに移動させる
愛犬がトイレをする合図が出たら、すぐにトイレに移動させてあげます。そのまま、トイレをするまで待ちます。
トイレが成功したら、うんと褒めてあげてください。そして、トイレから出してあげて自由な空間で遊んであげてください。ご褒美におやつをあげるのも効果的ですが、子犬のうちは消化器官が未発達のためあげすぎには注意が必要です。※月齢にもよりますが、犬は人間が構っている間は遊んでしまいます。30分や1時間と時間を決め、ハウスに戻し、子犬のお昼寝タイムを作ってあげてください。
排泄しなかった場合は、またハウスに戻してあげて、様子をみて合図が来たらトイレへ移動させるの繰り返しです。
また、失敗したときの為に、左上写真のような4面囲いのあるサークル内全てのスペースで排泄しても良いようにします。
ポイント:
・寝床スペースよりもトイレ用サークルの方を大きくする。(寝床より出来るだけ離れた広いスペースで排泄したいと言う習性がある為)
・4面囲いのあるサークルにする。(囲いが無ければより広いリビングの方が気持ちが良いので、動ける範囲すべて何処で排泄してもいいよ、と教えてあげているようなものですから、トイレのしつけに苦労します

ケージに木製スノコ設置した例
生後46日位~90日未満位の子犬で飼い主様が長時間外出する場合に、トムクレイト内で排泄しても手足が汚れにくいようにクレイト用網スノコ引っかけタイプを併用される事をお勧めします。
生後4カ月目以降でケージ内で全く排泄しなくなりましたら、クレイト用スノコは取り外し、人間用のお風呂のスノコなどをホームセンターでクレイト内にフィットするようにカットしてもらい設置する事をお勧めします。
トイレへ自分から行けるような環境作り
ある程度トイレを覚えたら、今までは抱っこして連れて行ってたのを、愛犬自らトイレへ行けるような環境を作ってあげましょう。サークルを大きめに作り、その中に寝床となるケージやクレートを置いてあげます。必ずトイレとハウスを離してあげましょう。
このようにトイレトレーニングが上手くいき始めたら、フリーな空間にトイレを設置してあげ、遊んでる最中にも自分でトイレに行くようになります。
注意点
- 犬はトイレの場所を肉球や臭いで覚える。
- そのため、トイレシートは同じものをなるべく使い、初めのうちは愛犬の排泄物のにおいをシートに付けておくのも効果的です。
また、肉球の感覚が似ているカーペットなどは犬にとってはトイレと同じです。完全にトイレを覚えるまではカーペットには上がらせないようにしてあげましょう。
- 怒らない。
- ついトイレが失敗してしまうと、怒ってしまう飼い主さんも多いかと思います。しかし、犬にとっては排泄自体に怒られてしまったと考えてしまったり、怒られていることに理解ができずに、飼い主さんが構ってくれていると考えてしまいます。
もし、トイレが失敗してしまった場合は、犬に構わず淡々と掃除をして、臭いも残らないようにしてあげましょう。
- トイレを狭くしない。
- トイレを理解してきても、シートが小さいなどで失敗してしまうこともあります。そのため、なるべく大きめのシートやシートを2枚敷いてあげておきましょう。
- 外での排泄
- 室内だけでしかトイレをしなくなってしまう犬も少なからずいます。それは愛犬にとって外でトイレをしていいと理解できていないためです。
そのため、散歩中にトイレをしなかった場合、するまで根気強く待ちます。トイレができてから、褒めてあげて室内へと戻りましょう。
おわりに
トイレトレーニングは、飼い主さんと愛犬の初めの絆を作るうえでも重要なトレーニングです。あきらめず、愛犬を思う気持ちで乗り切っていきましょう。